日本での就活: エントリーシート(ES)とは?
日本での就活で、鍵となるエントリーシート(ES)。ESは、面接官と直接会う前にあなたの印象を形作るものであり、また最も競争率が高い選考です。この記事ではESを書く上で知っておくべきことを紹介していきます!
JPort 編集部
著者:後藤あゆみ |掲載日:2020年8月14日
2022年卒業予定の皆さん!いよいよ皆さんも就活を始める時期になりましたね!特に、日系の企業を志望されている方は、エントリーシート(ES)という言葉を聞いたことがある、もしくはもう知っているのではないでしょうか。この記事では、ESで聞かれる質問の例を用いながら、ESを書く目的と書き方について詳しく説明していきます。まず、ESとは何なのか、そして、どうやって書けばいいのか、なぜ大事なのかといった点について詳しく解説していきます。
興味がある方は、『就活アカデミー』の無料動画、エピソード1でESの書き方を紹介しているのでこちらからチェックしてみてください。(英語、日本語対応)
ESとは?
面接前の第一印象
エントリーシート(ES)とは、レジュメとともに一番最初に企業に送る応募書類の一つです。ESには質問がいくつか書かれており、250~500字、場合によっては800字程度の短い文章で答えることが求められます。これらの質問を通し、企業はあなたがどんな人物で、その企業が求める人物像とマッチするのかを判断します。そのため、企業によって質問やフォーマットが異なりますが、よくある質問としては、志望理由や長所について、学生時代に力を注いだことなどが挙げられます。
企業にとってESは、応募者の第一印象であるため、仕事に対する熱意や情熱、長所などをESを通して伝えることが求められます。実際は、これらはESに限らず、どの選考においても共通して重要です。企業にとって、これらの点が採用の決め手になります。最初に企業は、ESとWebテスト(企業で働く上での適正を測るオンラインの性格診断テスト)を元に選考を行い、そのあとESに書かれた内容をもとに面接が行われます。
CVとの違いは?
CVが何かを知っている方も多いと思いますが、CVとは、欧米の就職活動でよく用いられるレジュメと一緒に企業に送る書類です。企業の採用担当者に送る手紙のようなもので、仕事にどう貢献できるかをアピールする書類です。特に効果的なCVは、なぜその特定の企業や団体に興味があるのかを説明したり、強みとなるこれまでの経験やスキルを書き込みます。面接へと進むためにあなたの強みを直接CVで伝えることができます。
ESもCVと似た役割を果たしますが、違う点は、ESには文字制限があり、企業側が質問を設定している点です。オンラインで応募する場合は、それぞれの質問に回答できるよう、テキストボックスが準備されています。ESは、手紙というよりは試験のように見えるかもしれません。ESの形式を苦手と感じる方もいる一方で、ESのきちんとした構成がCVよりも書きやすいと感じる方もいます。
なぜ大事なのか?
ES選考を突破しない限りは、面接などの次の選考に進むことはできないため、決して甘くみてはいけません。
最も競争率の高いスクリーニング
( 出典 : VIN JD on Pixabay)
最初にも述べたように、ほとんどの企業は面接の前にスクリーニングをします。ESは第一段階のスクリーニングでとても重要です。Webテストはオンラインで自動的に性格適性を判断できますが、ESは企業の採用担当者によって細かい部分まで見られます。ほとんどの企業では、すべての応募者と面接をする時間とリソースがないので、ESによって面接へと進む応募者が絞られています。就活の未来によると、ES選考の平均通過率は50%で、20社にESを提出した場合、そのうちの10社は面接に進めないのが普通です。
面接に進んで、採用担当者に直接自分をアピールする機会を得るには、しっかりとESを書くことが必要です。ESを書く上での目標は、企業側が「ぜひあなたに会ってみたい」と思えるよう、注目してもらうことです。その企業で働く社員として、なぜあなたがふさわしいのか、自身のこれまでの経験と企業の特徴をつなげた上で、熱意を伝えましょう。
面接での質問はESの内容で決まる
頑張って書いたESで、面接へ進むことになった皆さん、おめでとうございます!
面接では、採用担当者によってESの内容を深掘りされます。企業はESに書かれていることしか応募者について知らないため、ESに書かれた経験や話についていろいろな角度から質問し、より深くあなたを知ろうとします。
ESは、企業との会話のきっかけだということを意識しましょう。ESで書いたことについてたくさん話せるように準備しないといけません。応募する企業がどんな人を求めているのかを研究し、それに当てはまる自身のこれまでの経験を選びましょう。やることが多く、プレッシャーを感じてしまうかもしれませんが、面接の質問をある程度これでコントロールすることができます。これまでに情熱もってやってきたことや経験してきたことについて採用担当者が質問してくれるようになります!
よく聞かれる質問
まず、どの業界でもよく聞かれる質問を5つ紹介します:
志望動機はなんですか?
(志望理由/動機)
採用担当者にその企業を選んだ理由と、自身が社員としてどう貢献できるかを伝えましょう。他にも似たビジネスが数多くある中で、なぜその企業を選んだのかを採用担当者は知りたいはずです。企業について十分に研究し、説得力のある理由を書けるようにしましょう。企業研究に関しては、詳細をJPortの記事でチェックしてみてください。Part 1とPart 2。
あなたについて教えてください。(自己PR)
自己PRではあなたの性格を伝え、その企業の特徴とどう合うのかを伝えましょう。採用担当者に興味をもってもらえるよう、その企業の特徴に合うような経験を書くようにしましょう。目標は採用担当者に「この応募者に会いたい!」と思ってもらうことです。
学生時代に力を注いだことを教えてください
ガクチカと呼ばれるこの質問は、就活において定番の質問です。企業の人事もこの省略を使っており、この質問がどれほどよく聞かれるのかが分かります。
ここでは、あなたの問題解決力と忍耐力を知ってもらうチャンスです。説得力のある内容にするために、最初は失敗や大変だったことなどから説明しましょう。そこから、その壁をどう乗り越え、何を学んだのかを伝えることで、企業は困難に直面した時あなたがどうやって対処し、そこから成長するのかを知ることができます。
あなたの長所/短所はなんですか
これまでの経験に触れながら、あなたの長所を説明しましょう。そして、その長所を活かしてどのように企業に貢献できるかを伝えましょう。短所については、どのようにその短所を克服しようと考えているのかという点に注目して書くようにしましょう。自身の短所を表すような経験を説明し、どう改善したのか、また就職した後もどのように改善を続けていくのかを伝えましょう。
自社でチャレンジしたいことをお聞かせください。
企業は、社員にビジネスに対する熱意を持ってほしいと思っています。就活で、なんとなく業界を選ぶのはあまり望ましくありません。そのためにも自身のこれまでの経験を振り返りながら企業研究をきちんとするべきです。
ここからは業界別でよく聞かれる質問をご紹介します。
メーカー
メーカーは、自社で製品を製造し販売します。より良い製品を作ることで企業と社会を良くすることがメーカーの目標です。そのため、採用担当者はその企業の製品についての感想や考えを問うような質問をする可能性があります。
・あなたの専攻と研究のテーマを教えてください。
・自社では社員の個性を重視しています。あなたが自身の個性を発揮した場面を教えてください。
・あなたが使ってきた全製品の中で一番どれが好きでしたか?そう感じた具体的な状況をあげて説明してください。
商社
商社は石油から金融までの幅広いビジネスを扱う業種です。採用担当者は、具体的な分野についての知識とビジネスモデルについて質問をしてくる場合が多いです。事前にきちんと調べておきましょう。
・誰かとコミュニケーションを取る時、あなたは何を注意していますか。
・クラブ活動や学生団体、課外活動であなたが務めた役職を教えてください。
小売
小売業界では市場のトレンドを知っておく必要があります。企業は最新情報を知っている人を求めています。ESでは最近のニュースについて質問される可能性があることを知っておきましょう。
・応募する企業を選ぶ上であなたが大切にしている基準はなんですか?
・最近どんなニュースに関心がありますか?そのニュースに関わる問題について教えてください。また、どうしたらその問題が解決できると思いますか?
IT
プロジェクトに参加する時、ウェブデザイナーやプログラマーといった様々な専門家とも協力する場面が多いため、チームにおいてのスキルと達成したことについての質問が多いです。
・個人の目標を立て、そのために努力し、何かを達成した経験について具体的に教えてください。もし、チームとで作業した場合、その時のあなたの役割と個人として達成したことはなんですか。
・あなたのWEBに関する経験を教えてください。
金融
金融は変化が多く、スピード感のある業界です。予測できないことの多い複雑な業界であることから、企業は金融について正しく理解しているかやビジネスモデルについて質問をします。
・なぜ他にたくさんある金融機関から自社(銀行や保険会社などの具体的な分野)を選んだのかを教えてください。
・最近の日本経済においての問題をもとに10年後の日本経済について自由に書いてください。
サービス
サービス業はとても根気のいる仕事です。体力的にも精神的にも仕事に耐えられる人を求めています。
・あなたの性格で、改善しないといけないと思っているのはどのような点ですか?失敗を経験した時のことを教えてください。
・あなたの趣味はなんですか?何が得意ですか?
広告/出版
クリエイティビティはもちろん、コミュニケーションスキルが特に求められる業界です。この二つのスキルに質問が集中する傾向があります。
・チームや団体においてあなたは普段どんな役割を果たしますか?
・弊社のキャッチコピーを作ってみてください。
これからもESを書くコツを紹介していきます!
これで、ESにに対しての理解が深まったのではないでしょうか。2022年卒業予定の方はもうすぐ就活を始める時期だと思います。ESを書く機会はこれからどんどん増えていきます。
JPort編集部はそんなみなさんを応援するため、これからもESに関する記事を配信していく予定です。ESの具体的な書き方など、ESについてもっと知りたい方は、今後の記事もぜひチェックしてみてください。最後に、『就活アカデミー』の無料動画「ESの書き方」をチェックしてみてください。

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