日本の就活:就職説明会前に必要な5つの準備 ー先輩就活生からのアドバイスー
採用の応募開始は企業によって異なるため、こまめな情報のアップデートは必須です。応募プロセスは複雑で、「ハードスキル」よりも「ソフトスキル」が重要視されます。今回は就活開始前から準備できることについて、就活経験者である三人の先輩方からアドバイスをいただきました。
著者: Nadira Annisa | 掲載日: 2019年9月24日
2021卒業のみなさん、就活がもうすぐ始まることはご存知でしょうか?今年からは多くの企業が例年より前倒しで新卒採用を行うと報じられています。
そこで、日本での就活経験が豊富な三方にお話を伺ってきました。インドネシア出身のけケニー・チャンドラさん(Kenny Tjandraさん)、日本人の松本菫さん(Sumire Matsumotoさん)、そして川野愛莉さん(Airi Kawanoさん)です。ケニーさんは立命館アジア太平洋大学を卒業したばかりで、東京での就職が決まっています。菫さんと愛莉さんも就活を終え、来年同大学を卒業する予定です。
自分の強みと「ソフトスキル」を明確にする
就活で「ソフトスキル」が重要なわけ
就活生の皆さんは、「ソフトスキル」のことをご存知でしょうか?適応性、態度、コミュニケーションスキル、創造的思考、労働倫理、協力性、柔軟性などがこのソフトスキルに含まれます。
「日本の就活でソフトスキルが重要だ」と言われても、いまいちピンとこない方が多いと思います。日本以外の各国では、募集要項に沿うような学位、経験、検定などの「ハードスキル」が重要視されますよね。
しかし日本では違います。日本の就活は特定のスキルを要するポジションに応募するというよりかは、企業そのものに応募するからです。
就活の先輩からのアドバイス
就活を終えた先輩方によると、自己分析、つまり自分の強みと将来の目標について掘り下げるプロセスが必要になるようです。
面接官に自分の長所・短所を伝えるためにはまず、自分の様々な側面を理解しておく必要があります。自分の性格、強みと弱み、目標、能力、労働倫理などに注目して分析していきましょう。
現役の時に就活を成功させた愛莉さんは面接時のアドバイスとして次のようなことを意識すべきと言っていました。「面接では、『あなたにとって就活はどのくらい重要ですか?』と聞かれることがあります。面接官はこの質問を通して、就活生の志望理由を探ろうとしています。」

履歴書と履歴書を何度も練り直し、面接の練習をする。
就活期間中は数えきれないほどの履歴書を企業に提出することになります。履歴書は面接官に与える第一印象を左右するものであるため、大変重要な項目になります。
元就活生の菫さんいわく、「ご存知の通り、日本での就活期間はとても短いです。ですから、たくさんの企業に応募するか、少数に絞って応募するかを決めなければいけません。どちらにしても複数の履歴書がいるので、内容を使い回しすることになるでしょう。ですから一貫性のある、ブレのない主張を持っておくことが大切です。」とのことです。
日本語をより高いレベルに
日本語の履歴書は、とても独特で形式ばったものなります。
まず、日系企業の場合ほとんどが手書きの履歴書になります。そのため日本語で文章を書く事に慣れ、履歴書のフォーマットについてよく知っておくことが大切になります。また日本語での面接も決して簡単なものではないため、しっかり練習をしておきましょう。一対一の面接だけでなく、グループディスカッションのある場合もあります。
日本の企業の面接は、大学でのキャリアセンターでも練習ができます。より専門的なサポートが必要であれば、就職エージェントのセミナーに行ってみましょう。菫さんによると。「こうしたセミナーは日本語で行われることがほとんどなので、外国人留学生には難しいかもしれません。」とのことでした。
日本でのインターンシップ
インターンシップに応募すれば、日本の仕事環境を実際に体験することができます。多くの日本企業がインターンシップの募集を行っているため、プログラムの種類に注意して申し込まなければいけません。1日や1週間の「短期インターンシップ」に加え、6ヶ月〜1年の「長期インターンシップ」など、様々なものがあります。
インターンシップは自己分析にも役立ちます。日本企業でできるインターンシップについてもっと知りたい方は、以前ご紹介した、Short-Term vs Long-Term Internships in Japanを合わせて読んでみてください。
日本語テストと言語能力
応募者の能力を測定するために、技能検定のスコアを求める企業も数多くあります。応募者の規模は百人または千人単位です。スコアの提出をしなければいけない場合、最低でも企業の定めるスコアを満たしていることが重要です。
JLPT/ TOEIC/SPI
就活でよく問われる技能の一つが言語能力です。英語力の測定には、TOEIC、またはIELTS/TOEFLがよく使われます。
それとは別に外国人が日本企業を受ける際によく求められるのが、日本語能力試験(JLPT)のスコアです。必要要件は、N3レベル以上とする企業もありますが、ほとんどの場合N2レベル以上です。
SPIの点数も必要になるケースが多いです。こちらのテストは日本語で行われるため、外国人留学生には大きな課題になります。
SPIは総合適性検査の略称で、複数選択型の適性試験です。国内では一番よく使われる採用試験で、性格検査・能力検査を通し、企業の求める人材とマッチするかを測定します。
先輩からのアドバイス
ケニーさんと愛莉さんによると「就活を始める前に、絶対にOBOG訪問をしておいたほうがいいです」とのことです。
OBOGとは、Old Boy、Old Girlの頭文字をとった和製英語です。同じ大学出身で、無事に就活を終えた卒業生や先輩のことを指します。あなたより一足先に様々な経験を積んでいるので、就活の複雑なプロセスについて、貴重なアドバイスやコツを伝授してくれるでしょう。
もちろん、人によって経験・感じたことが異なるので、一人だけでなく複数のOBOGに話を聞くことをお勧めします。
同じ大学出身の先輩であれば、学内生だけがアクセスできる学内サポート(キャリア相談やセミナー)に詳しいはずです。あなたの学部や大学からの学生を積極的に採用している企業を教えてもらえるかもしれません。特定の国出身の学生を応募している企業もあるので、そういった情報も手に入れられるでしょう。
やる気と根気強さ
就活を行う上で意外と見落とされがちなのが、心構えと態度です。
これは日常生活でもそうですが、日本で就活する際は特に決定的な差を生みます。「日本で働きたい」という強い意志を持ち、あきらめずに取り組むことが重要なのです。この姿勢こそが就活成功のカギであると先輩方も口を揃えて言います。
ケニーさんいわく、「準備万端にしておくこと、そしてどんな仕事をしたいのか自分の中で明確にして置くことが大切です。働きたい企業のタイプを絞っておけば、就活全体のプランを立てやすくなりますし、やりやすくなります。」とのことです。
菫さんからもアドバイスをいただきました。「もし応募する企業数が少ないなら、強い熱意を持ってのぞむことが大切です。面接官を感心させ、内定を掴み取るきっかけになります。」
最後にアドバイス
日本の就活は一見、複雑でストレスがたまるだけのプロセスに見えるかもしれません。しかし、それはあなたの取り組み方次第で変わるはずです。ライバルより一足先に始め、準備・練習の時間をたっぷり確保する。その上で全力を尽くせば、スムーズにいくこと間違いありません。完璧に備えることができれば、直前のパニックやストレスも避けられます。
面接の日が来たら、リクルートスーツに身を包み、履歴書と志望理由書を持って街に繰り出しましょう。いよいよ本番です。がんばってください!

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