日本の就活での服装の選び方:リクルートスーツとは?
日本の就活において、リクルートスーツはエントリーシートや履歴書と同じくらい大切です。本記事ではリクルートスーツの良し悪し、価格帯や販売場所をお教えします。
著者: Claire Liu │掲載日: 2019年9月18日
私は初めて「リクルートスーツ」という言葉を聞いたとき、「スーツに種類があるの?」と驚きました。
「中でもリクルートスーツは装飾のないシンプルな黒色で、就活用に作られたものです。入社後はリクルートスーツである必要はなく、装飾されたものや様々な色のスーツを着用している人も多いです。」
そう教えてくれたのは日本の就活を経て、現在大分県の市役所で働く公務員の方(25歳)です。
「リクルートスーツはスタイリッシュさやデザイン性を追求したものではなく、むしろ社会人としていい印象を残すためのものです。そのためリクルートスーツ選びはとても慎重に行わなければいけません。」
彼は自分自身の就活を振り返り、とても多くのアドバイスを私にくれました。
日本の真っ黒な「リクルートスーツ」
https://www.suit-select.jp/suit-library/recruit-suit-all/
1980代はバブルを経験し、奇跡に近い急激な経済成長を経験しました。バブルは国民に個人主義の波をもたらし、人々は自由を謳歌しました。その結果、ファッション業界は大きな変貌を遂げ、就職活動の服装規定にまで影響を及ぼしました。例えば「スーツ、ドレス、アクセサリーはパステルカラーでないといけない」というものがありました。
しかしバブルがはじけた1992年頃、日本経済はどん底をさまよっていました。多くの人々が職を失い、新卒の就活生達は必死で働き口を探しました。一方、企業側はリスクの回避できる働き手を作るために、一から知識を刷り込める「まっさらなキャンバス」のような無垢な人材を好み採用しました。リクルートスーツの真っ黒なシルエットはこの「まっさらなキャンバス」を象徴しているといえます。そのため多くの就活生が無難で外すことのないこのリクルートスーツを好み着用しました。
この傾向はやがて慣習となり、現代の就活において取り払うことの難しい常識となってしまっています。現在、多くの企業がこの常識を無くすために取り組んでいますが、現実はまだまだ改善の余地があります。
日本の就活の服装規定とは?
就活の「服装規定」は決して企業や国から定められたものではありません。しかしこれは社会に長い間認められてきた規範なのです。
リクルートスーツは基本的に暗い色、特に黒色が好まれます。多くのスーツショップは「リクルートスーツコーナー」のような特設コーナーを設けていることが多いため、見つけるのにあまり苦労はしないはずです。またサイズの合っていないものを着ていると印象がとても悪いため、購入する際はきちんと自分の体格にあっているものを選びましょう。
レディーススーツと女性の身だしなみ
初めに女性、特に髪の長い方は後ろできれいに結びポニーテールのようにすると良いです。前髪がある方は、サイドに流しまとめると清潔感が出ます。また髪染めは絶対にしてはいけません。
就活用のブラウスは大まかに2種類に分けられます。「レギュラーカラー」は一番上までボタンをしめられるものです。もう一つは「スキッパ―カラー」と呼ばれ、一番上にボタンがついていない首元が少し開くタイプです。どちらを選ぶにしても、色は白で統一するほうが印象が良いと思われます。またレギュラーカラーの一番上のボタンは閉めても開けてもどちらでもよいです。
メンズスーツと男性の身だしなみ
髪の毛はきちんととかされた状態であることが大切で、髭ももちろん剃りましょう。
ワイシャツは女性と同じように白色が良いでしょう。またワイシャツが透けないように中にアンダーシャツも着たほうが良いです。
ネクタイ選びは特に重要です。色は青、灰色、濃い赤など落ち着いたものが良いでしょう。加えて過度なデザインやロゴが入ったものは目につくので避けましょう。またネクタイを結ぶのはコツがいるため、日ごろから結ぶ練習をしておきましょう。
ベルトは単色かつ装飾のないものを選びましょう。
靴は黒色の革のドレスシューズが好まれます。モンクストラップのような派手なものは避けましょう。また汚れの無いようにしっかりと磨いておきましょう。靴下は黒で、座った時にも地肌が見えない長さのものがよいです。
その他のアドバイス
面接中に携帯電話で時間を確認することは失礼にあたるため、腕時計を身に着けていきましょう。デザインはシンプルで目立たないものが良いでしょう。
バッグはバックパックではなく、A4サイズの書類が入る手提げのものにしましょう。また書類を入れるクリアファイルがあるとなお良いでしょう。
香水は匂いが強く、面接の邪魔になるようなものは控えましょう。
そのほかにも文房具や携帯ケース等はすべてシンプルなデザインのものを採用し、目立つものは控え、ブランド品だと一目でわかるものもあまり好まれないため持って行かないようにしましょう。
リクルートスーツが買えるお店
リクルートスーツは通常のスーツと違い、ブランドの違いによってデザインの差が起こることがなく、良心的な価格設定であるため比較的入手しやすいといえます。
次の5社はリクルートスーツを購入する上で特におすすめのブランドです。
青木
青木は男女ともに幅広いバラエティの中からスーツを選ぶことができます。始めてリクルートスーツを買う人向けにスーツセットも販売しているため、買うのが不安な人でも安心して購入することができます。(価格帯:29,000~59,000円)
ザ・スーツカンパニー
ザ・スーツカンパニーはコストパフォーマンスの良さや、リクルートスーツには珍しいトレンディなシルエットが若者に人気のブランドです。(価格帯:19,000~28,000円)
青山
スーツ販売の長い歴史を持つ青山は、「自分にどんなスーツが似合うのだろう」と疑問に思っている方にピッタリです。青山のリクルートスーツは全体的に派手さが抑えられており、就活において失敗することはありません。(価格帯:39,000~59,000円)
コナカ
コナカは手入れのしやすさを売りにしており、どんな人でも手入れができるようなスーツを販売しています。また汚れてもすぐ綺麗にできる機能性に加えて、シルエットがスリムなデザイン性を兼ね備えており、デザイン性を重視する人や手入れが面倒な人にはうってつけのブランドです。(価格帯:39,000~59,000円)
Only(オンリー)
Only(オンリー)は英国の高級感あるスーツにインスパイアを受けたブランドです。価格は少し上がりますが仕立てやトリミングも行っているため、自分に合ったスーツを買うことができます。(価格帯:19,000~48,000円)
先輩からのアドバイス
ベトナム出身で新卒一年目の学生は「リクルートスーツを始めて着たころは着られている感覚があり、あまり落ち着きませんでしたが、最後にはむしろ着ていることが楽しく思えました。」と東京で働き始める前に言っていました。
「真っ黒なスーツを着ると、大人の階段の一歩目を上ったような感覚になります。そう考えれば就活そのものも恐ろしいものではなく、むしろ文化として楽しむべきだと考えられるようになりました。」
こんな先輩の良かった経験や失敗した経験は、これから就活を行う学生の安心につながるような気がします。そんな先輩たちの経験を武器に、就活を頑張っていきましょう!

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